遠近法の壊し方 : 藤枝静男の場合(<特集>絵画・写真・映像-像と文学の近代-)

書誌事項

タイトル別名
  • Out of Perspective : What Sizuo Fujieda Had Done(<Special Issue>Pictures, Photographs, and Films: Modern Literature and Modern Images)
  • 遠近法の壊し方--藤枝静男の場合
  • エンキンホウ ノ コワシ カタ フジエダ シズオ ノ バアイ

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抄録

明治以降、紹介された西欧の近代絵画は、小説におけるリアリズムの定着に力を及ぼした。藤枝静男は私小説を志しながらも、こうした絵画がもたらした構図を離れ、晩年には民画やコラージュなどに触発されて、従来のリアリズムでは追求しきれなかった「私」を描こうとした。民画の俗に対する宗教画の聖として折口信夫『死者の書』も引きながら、聖、俗ともに、近代では忘れられがちだった種類の絵を通し<ありのまま>という虚構を破ろうとする試みを追った。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 51 (11), 46-56, 2002

    日本文学協会

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