文学は「教科書」で教育できるのか(<特集>これからの文学教育の地平)

書誌事項

タイトル別名
  • Can Literature Be Taught with a Textbook?(<Special Issue>The Prospect of Teaching Literature)
  • 文学は「教科書」で教育できるのか
  • ブンガク ワ キョウカショ デ キョウイク デキル ノ カ

この論文をさがす

抄録

文学教育とは、国語教育の一環であり、国語教育そのものではない。とすれば、教科書を用いて授業で文学を教えるのが所謂文学教育ということになるはずである。だが、こうして考えると、上下関係とエロス的信頼関係とが、矛盾しながら共犯関係をなしている教師-生徒間に付帯する厄介な権力関係、強制的に読ませるテクストとしての教科書、人民の国民化とその再生産を企図して近代教育を実行した国民国家、そして国語という教科の狙いなどなどといった文学教育の土台となる基本的な問題群が必然的に浮上してくる。本稿では上記の問題群を努めて歴史的に再検討を加えて、文学教育なるものの位相とその可能性をややアイロニカルに考察してみた。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 54 (8), 2-17, 2005

    日本文学協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ