『南総里見八犬伝』における歴史空間(<特集><近世>という空間)

書誌事項

タイトル別名
  • The Historical Space of Nanso-satomi-hakken-den(<Special Issue>The Space of the Early Modern Age)
  • 『南総里見八犬伝』における歴史空間
  • ナンソウ サトミ ハッケンデン ニ オケル レキシ クウカン

この論文をさがす

説明

『南総里見八犬伝』は十五世紀の関東を主な舞台とする。そこに馬琴は自らの生きる当代の江戸を投影してもいるのだが、やはり、関八州の歴史状況を描き込んだことを重視すべきである。安房に勢力の基礎を築いた里見氏が、蟇田素藤戦を経て上総に勢力を拡張し、京都政権との関係を背後に置きつつ、対管領大戦を通して関八州の秩序を徳によって再編するに至る。関東の辺境に始まった物語は、安房を中核とする関東の歴史空間の伝奇的な再構成を目指して世界を拡張していったのである。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 53 (10), 33-42, 2004

    日本文学協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ