古事記における「出雲」とシャーマニズム

書誌事項

タイトル別名
  • Shamanism of Izumo: A Note on the Episode of Prince Homuchiwake's Visit to Izumo in <i>Koji-ki</i>
  • 古事記における「出雲」とシャーマニズム : ホムチワケの出雲訪問の考察を通して
  • コジキ ニ オケル 「 イズモ 」 ト シャーマニズム : ホムチワケ ノ イズモ ホウモン ノ コウサツ オ トオシテ
  • —— ホムチワケの出雲訪問の考察を通して ——

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抄録

<p>本論では古事記中巻におけるホムチワケの出雲訪問に注目した。ホムチワケは「出雲の大神」の祟りを鎮めるために、出雲に派遣される。そこでキヒサツミによって「大御食」を献上されるが、それは「出雲の大神」への祭祀を描いているのである。</p><p>こうした祭祀は大和の天皇と関わっており、天皇の支配を語る中巻の構造において、「出雲」は「中心」に対する辺境の一地域に過ぎない。</p><p>だが、ホムチワケの「体験」に注目することで、それとは別の「出雲」を見ることができる。ホムチワケにとって「出雲」はイニシエーションをもたらす根源的な「他界」という意味を持っている。</p><p>ホムチワケの出雲訪問の中で構造の中に解消できない、シャーマニックな「体験」を見ることができるのである。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 61 (2), 1-13, 2012

    日本文学協会

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