<物語>の<文脈>、<小説>の<文脈> : 小学校四年「白いぼうし」・「ごんぎつね」を読む(<特集><文脈>を掘り起こす-文学教育の挑戦-)

書誌事項

タイトル別名
  • "Narrative" Context, "Fictional" Context : Reading "Shiroi-boshi" and "Gon-gitsune"(<Special Issue>Uncovering Contexts: An Attempt of Literary Education)
  • <物語>の<文脈>、<小説>の<文脈>--小学校四年「白いぼうし」・「ごんぎつね」を読む
  • モノガタリ ノ ブンミャク ショウセツ ノ ブンミャク ショウガッコウ 4ネン シロイ ボウ シ ゴンギツネ オ ヨム

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説明

「白いぼうし」をプロットの因果関係によって読むことで形づくられた自らの<文脈>を、田中実の提起する<機能としての語り>によって掘り起こし、<物語>を越えるもの、<小説>の<文脈>を追究した。<機能としての語り>は物語内容と物語言説の双方を制御し、<語り手>に「きこえる」という言葉を使わせることで<松井さんの物語>の向こうを描いている。一方「ごんぎつね」は<物語>を越えるものをもちえないとの立場にたち、<語り手>とプロットとの関係を論じ、プロットそのものが生成されていった仕組みを明らかにし、プロットが、<語り手>と一体化した兵十が生きていくことに深く関与することを示した。<物語>の<文脈>を掘り起こすとは、プロットとして生成され続ける生の可能性を明らかにすることであり、<小説>の<文脈>を掘り起こすとは、プロット化されない、現前にはない、生の可能性に向かうことである。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 58 (8), 12-21, 2009

    日本文学協会

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