現代シニアの死生観の源泉 : 江戸後期ルネッサンスを中心に(投稿広場)

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抄録

高齢社会の蜂蜜期といわれる現在はまだしも、団塊の世代が後期高齢者になる2020年以降、私たちは同じ社会のダーク・サイドを見る。そしてシニアが長寿を全うしようとする2030年代後半、年間死亡者が170万人に及ぶ大量死時代の到来とともに、死の現場は、病院内では収まらずに日常生活の場へと溢れ出して、私たちを遍く脅かすだろう。本稿では、江戸後期に勃興したシニア・ルネッサンスを取り上げる中から、江戸シニアがユーモラスな生き方(逝き方)を通じて、現代シニアに残した「伝言」を紐解く。それらは、世界に冠たる長寿王国となった日本で、今こそシニアが奮起する時であると、示唆しているかに思われる。従来、放物性のリニアとして語られてきた人生であるが、死ぬという最後の変化に臨んで、笑いの力を用いて、ギアを更に一段あげて、死という最頂上へ辿りつく。物事の終わりに御手を拝借してまで、けじめと箔をつける文化を持つ私たちなら、生涯発達モデルを改新することさえできるだろう。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680757959040
  • NII論文ID
    110007681584
  • DOI
    10.18991/warai.17.0_100
  • ISSN
    24239054
    21894132
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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