大学英語教育におけるCBIおよび高等イマージョン教育の提案

書誌事項

タイトル別名
  • CBI and Late Immersion Programs in Japan's College-level English Education
  • 大学英語教育におけるCBIおよび高等イマージョン教育の提案 : 「企業が求める英語力」からの分析
  • ダイガク エイゴ キョウイク ニ オケル CBI オヨビ コウトウ イマージョン キョウイク ノ テイアン : 「 キギョウ ガ モトメル エイゴリョク 」 カラ ノ ブンセキ
  • ⌈ 企業が求める英語力⌋からの分析
  • Meeting the English Skill Challenges Faced Today by Japan's International Companies

この論文をさがす

抄録

 経済・社会のグローバル化が進展する今日、日本の英語教育においては、国際社会で通用し、競争力のある英語力を養成することは重要な課題となっている。日本と近隣アジア諸国における英語教育の差異もまた、英語力の低下を引き起こす原因として懸念されている。大学を卒業した学生たちが、実際にどのような英語力を必要とされるかは、国際化がいち早く進んでいる企業が、日本人社員に求める英語力を考察することによって可視化できるのではあるまいか。これらのニーズを明らかすることは、現在の大学英語教育でどのような能力を養うべきなのかを探る一助となるものと考える。<br> 本研究は、まず、高校卒業までの英語教育の現状を近隣のアジア諸国と比較しながら概観した。現在の大学入学者は、ここ数十年間での英語教育の変遷、とりわけ、文法からオーラルコミュニケーション重視への移行により、語彙力の低下が指摘され、「読めない」、「書けない」学生が増えてきており、近隣アジア諸国に教育内容で大差が認められることが明らかとなった。<br> 国際ビジネスコミュニケーション協会の協力による調査からは、企業が人材に求める英語力は、現在の大学生の能力を大きく超えるものであり、特に電話での交渉や会議などの目的を達成しうるための討論や、 Eメール・ビジネスレターを作成し構成するなど、直接・間接的な場面において、説得力、判断力、調査力という能力が兼ね備わった英語力が必要であることが明確となった。<br> これらのことを踏まえ、第二言語習得理論を基に考察すると、大学英語教育に必要なものは、「論理的・批判的思考力」といった、思考を伴う英語力の養成である。具体的な英語の授業としては、教材内容を重視した充分なインプットとアウトプットのある授業、学生が協働作業をする学生主体の形態が提案される。以上により、 CBI( 内容重視の授業 ) と高等イマージョン教育がこれからの大学英語教育に導入されていくことが望まれる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ