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- 浜井 浩一
- 龍谷大学
書誌事項
- タイトル別名
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- How 'the Myth of Collapsing Safe Society' Has Been Created in Japan (Symposium: Rising Fear of Crime and Re-building Safe Society in Japan: Moral Panic or Evidence-Based Crime Control)
- 日本の治安悪化神話はいかに作られたか--治安悪化の実態と背景要因(モラル・パニックを超えて)
- ニホン ノ チアン アッカ シンワ ワ イカニ ツクラレタ カ チアン アッカ ノ ジッタイ ト ハイケイ ヨウイン モラル パニック オ コエテ
- 治安悪化の実態と背景要因 (モラル・パニックを超えて)
- Beyond the Moral Panic and Victim Industry
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説明
2003年に実施された衆議院議員選挙において,主要政党のほとんどが,犯罪・治安対策を重要な争点として取り上げるなど,日本において,現在ほど,犯罪や治安が大きな社会問題となったことはない.世論調査の結果を待つまでもなく,多くの国民が,疑問の余地のない事実として,日本の治安が大きく悪化していると考えている.本稿では,これを「治安悪化神話」と呼ぶ.本稿では,まず最初に,日本の治安悪化神話の根拠となっている犯罪統計を検証する.そして,治安悪化を示す警察統計の指標は,警察における事件処理方針の変更等による人為的なものであり,人口動態統計等を参照すると,暴力によって死亡するリスクは年々減少しつつあること,つまり,治安悪化神話は,必ずしも客観的な事実に基づいていないことを確認する.次に,治安悪化神話の生成過程について,マスコミによる凶悪犯罪の過剰報道,それによって作られたモラル・パニックを指摘しつつ,さらに,一過性であるはずの治安悪化言説が,マスコミ,犯罪被害者支援運動と支援者(advocates),行政・政治家,専門家の共同作業を通して,単なるパニックを超えて,社会の中に定着していく過程を分析する.
収録刊行物
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- 犯罪社会学研究
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犯罪社会学研究 29 (0), 10-26, 2004
日本犯罪社会学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680763675904
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- NII論文ID
- 110006153656
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- NII書誌ID
- AN00206207
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- ISSN
- 24241695
- 0386460X
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- NDL書誌ID
- 7476543
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可