完全性への敢然性 : 何が人を闘争に向わせるのか?(コメント論文,大人の教育としての哲学-デューイからカベルへ-,Forum 2)

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タイトル別名
  • The Resoluteness to Perfection : What is Taking Human to the Struggle?
  • 完全性への敢然性--何が人を闘争へと向かわせるのか?
  • カンゼンセイ エノ カンゼンセイ ナニ ガ ヒト オ トウソウ エト ムカワセルノカ

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説明

キリスト教的な完全性という概念は、西欧教育思想史の中心的な概念であるにもかかわらず、その特質について充分な考察が行われてこなかった。本稿の目的は、人間に到達不可能であるにもかかわらず、すでに人間によって到達されているという、キリスト教的な完全性概念の背反性という特質を確認するとともに、ティリッヒ、デリダの完全性論にふれながら、その含意を提示することである。教育思想史にとってのこの完全性概念の含意は、二つにまとめられる。第一に、この概念が理不尽なものへの敢然たる抵抗・闘争の姿勢を暗示していることである。第二に、この敢然たる抵抗・闘争の姿勢が近代教育学の深層に見いだせるのではないかという推論である。もしもこの推論が正しければ、問われるべき問いは、近代教育学の何がこの抵抗・闘争の姿勢を看過させることになったのか、という問いとなるだろう。

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