資本主義社会における学力テストの宿命か(コメント論文,フォーラム1 学力テストの暴力性-米国における学力テストと評価体制の構築-)

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タイトル別名
  • Is the Violence of Achievement Tests Inevitable in a Capitalistic Society?
  • コメント論文 資本主義社会における学力テストの宿命か
  • コメント ロンブン シホン シュギ シャカイ ニ オケル ガクリョク テスト ノ シュクメイ カ

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抄録

北野氏は、資本主義社会の発達段階に応じて、学力テストの暴力性が徐々に強まっていった過程を説明している。この説明は現状を理解するうえでは参考になるが、二つの弱点をもっている。ひとつは、どの段階の資本主義社会にも共通する学力テストの特質を却って曖昧にしたことである。教育能率を上げるための教員管理、学力テストの標準化と客観化、教育成果の競争という三点は資本主義社会の本質と分かちがたく結びついており、教員の専門家としての判断を排除していることを見逃してはならない。もうひとつは、学力テストに対する批判の歴史的意義をほとんど無視していることである。たとえば、教育評価の理論は学力テストへの批判として登場したものであるのに、学力テストと同一視され、その意義が正当に認められていない。そのため、学力テストの暴力性を打破するための視点や方策が提示されていない。

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