Rethinking about Differences among Government, Public and Private Schools : Focusing on Yukichi Fukuzawa and Keio Gijuku

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  • 福澤諭吉・慶應義塾から官・公・私立学校の別を考える(報告論文,シンポジウム2 私学の思想史)
  • 福澤諭吉・慶應義塾から官・公・私立学校の別を考える
  • フクザワ ユ キチ ・ ケイオウ ギジュク カラ カン ・ オオヤケ ・ シリツ ガッコウ ノ ベツ オ カンガエル

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Abstract

日本においては、官・公・私立学校は、資金の出所によって分類されることが1874年の文部省達第22号によって定められたが、学制以前から慶應義塾を経営していた福澤諭吉は、それとは異なる見解を有していた。福澤は私塾での学習経験しかなく、自らも私塾の経営をするが、幕末の西洋体験で教育の重要性を認識し、教育税という公費によって経営される学校=公立学校を評価する。しかし、公立学校も経営を政府に任せるのではなく、その学校に関わる人々が当事者意識を持って経営していくことが求められ、志を同じくする人々が結社を創って経営していく私立学校と同様の「民間の学校」と考えられた。一方、官立学校は、学問と政治の分離原則から否定される。福澤は資金の出所に拘泥することなく、文部省の定めた官・公・私立学校の区分の組み換えを迫った。結局は、彼の試みは挫折するが、官・公・私立学校の別を組み替えようとする彼の試みは、再評価されてよいだろう。

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