「Liberal artsのLearning」は「教育」を反転させることができるか(司会論文,Learningの思想史・序説,Forum 2)

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タイトル別名
  • Can the 'Learning of Liberal Arts' Overturn the 'Education'?
  • 「Liberal artsのLearning」は「教育」を反転させることができるか
  • Liberal arts ノ Learning ワ キョウイク オ ハンテン サセル コト ガ デキル カ

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抄録

松浦氏は、Liberal artsをめぐる知的営為を「学習」でも「学び」でもなくあえて「Learning」と呼び、「『教育』を反転させる概念装置」として位置づけようとする。だがその試みは、「Learning」を歴史的に相対化することと、それを現実批判のための規範的枠組みとすることとのあいだで揺れ動いている。それは教育思想史と教育哲学の相剋を反映しているともいえるが、同時に氏の「Learning」の捉え方が生みだしたジレンマでもある。「Learning」を「『内容』=テクストとの対峙」として捉えることは、「Liberal artsのLearning」を中世ヨーロッパのエピソード以上のものにするが、「教育」を反転させることにはつながりにくい。氏の意図を活かす手がかりは、むしろイリイチのフーゴー学習論にあるように思われる。そのとき、「教育思想史のオルタナティヴ」としての「Learningの思想史」の構想は、より包括的な「学びの思想史」に統合される必要があろう。

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