教育による公共性の創出 : Amy Gutmannの「意識的社会再生産」概念を中心に

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タイトル別名
  • Establishing the Public Sphere through Education : Focusing on Amy Gutmann's Conception of Conscious Social Reproduction
  • キョウイク ニ ヨル コウキョウセイ ノ ソウシュツ Amy Gutmann ノ イシキテキ シャカイ サイセイサン ガイネン オ チュウシン ニ

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抄録

ハンナ・アレントの「ネイタリティ」の概念は、市場論に基礎を置く教育改革論の相対化の論理として、今日注目されている。ただ、子どもの保守的な側面を保持しながら同時に革新的な側面を強調するということが公共性創出の鍵であるとするこの概念の中では、両側面を統合する具体的な方法論が提示されていない。本論文では、この方法論を、エイミー・ガットマンの民主主義的教育理論とその中心概念である「意識的社会再生産」の中に見出すことを目的とする。この際、保守とリベラルの教育目的を統合しようとするガットマンの思想の展開過程を検討しながら、彼女の思想が「意識的社会再生産」へと集約されていることを、さらに、彼女が討議(デリバレイション)を通じた市民的徳の育成を強調していることを明らかにする。その上で、教育の保守的な側面と革新的な側面の統合問題が、多様な価値観を有する市民の継続的な討議という方法論によって解決されることを示唆する。

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