化学の目で見た星形成 : 星形成領域の多様性

  • 坂井 南美
    東京大学大学院理学系研究科ビッグバン宇宙国際研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Chemical diversity of low-mass star-forming regions
  • カガク ノ メ デ ミタ ホシ ケイセイ ホシ ケイセイ リョウイキ ノ タヨウセイ

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抄録

太陽のような恒星はいまも銀河系の中で活発に生まれている.星の形成は宇宙における最も基本的な構造形成過程であるとともに,星間物質から惑星系物質への物質進化の場でもある.近年,電波観測の著しい発展により,実際に誕生した原始星のまわりの化学組成が捉えられるようになってきた.我々は最近,国内外の大型電波望遠鏡を駆使した観測により,これまで知られていた化学組成とは全く異なる化学組成をもつ太陽質量程度の原始星天体を発見した.この発見は.これまで一つと考えられてきた物質進化の道筋が,実は多様性を持っていることを示しており,太陽系の物質的起源の理解にも関わる大きな問題を提起している.本稿では,星間分子雲から星・惑星系形成領域に至る物質進化を概観し,その中で上記の発見の意味と今後の展望を議論する.

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参考文献 (22)*注記

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