始原天体有機物研究の今とこれから III. 有機ナノグロビュール

  • 中村 圭子
    アメリカ航空宇宙局ジョンソン宇宙センター地球外物質探査科学部門

書誌事項

タイトル別名
  • The study of organic molecules in small primitive bodies, now and the future : III. Organic nanoglobules
  • 始原天体有機物研究の今とこれから(3)有機ナノグロビュール
  • シゲン テンタイ ユウキブツ ケンキュウ ノ イマ ト コレカラ(3)ユウキ ナノグロビュール

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抄録

隕石中の不溶性有機物の一部である有機ナノグロビュールは,星間分子雲あるいは原始太陽系円盤外縁部の極低温環境に起源をもつ極めて始原的な有機物で,これまで数多くの始原惑星物質中で存在が確認されている.太陽系形成以前からの情報を記録している有機ナノグロビュールがこれほど多くの始原惑星物質中で認められるということは,これらが太陽系形成初期においていたるところに存在し,惑星系形成において重要な役割を果たしたことに他ならない.有機ナノグロビュールの形状や有機化学・同位体組成,存在量の違いをサンプル毎に比較することにより,母天体自身の物質進化・変性過程の解明にも役立つと期待される.本稿では有機ナノグロビュールの特徴・起源とこれまでの研究結果を時系列にそってレビューする.

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