古代ローマの伝統とフランス近代教育(コメント論文,フォーラム2 霊操の書としてのルソー「サヴォワ助任司祭の信仰告白」-パレーシア(本当のことを語ること)の視座から-)

書誌事項

タイトル別名
  • The Ancient Roman Tradition and French Modern Education
  • 古代ローマの伝統とフランス近代教育
  • コダイ ローマ ノ デントウ ト フランス キンダイ キョウイク

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抄録

古代の伝統との関わりで近代教育思想を検討すること。室井論文は、その可能性をセネカとルソーを重ね合わせることで示している。古代ローマの伝統の受容と批判検討の歴史という観点からセネカとルソーをみるならば、報告論文が明らかにしているような両者の共通性だけでなく、時代を大きく隔てた両者の差異に注目する必要がある。以下においては、そのことを、1.「生きることを学ぶ」を可能にする技法の違い、2.語りの形式としての「パレーシア」にみる共通性と差異に注目しつつ検討する。そのうえで、3.教養史からみた「鍛錬」では、古代の哲学的な文脈における鍛錬と教育を媒介すると考えられる古代ローマの知的鍛錬としての「予備教養」をとりあげるとともに、セネカとキケロを柱とする古代教養の伝統が、ルネッサンス期のモンテーニュを介してルソーヘと批判的に受容されてゆく一様相を明らかにする。

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