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- 野元 美佐
- 名古屋大学大学院文学研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- The Meanings of Money in Tontines (ROSCAs) : The Case of the Bamileke of Cameroon
- 貨幣の意味を変える方法--カメール、バミレケのトンチン(頼母子講)に関する考察
- カヘイ ノ イミ オ カエル ホウホウ カメール バミレケ ノ トンチン タノモシコウ ニ カンスル コウサツ
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抄録
本研究は、カメルーンの商売民として有名な「バミレケ」が活発に行っている金融システム「トンチン(頼母子講、講、無尽)」を、貨幣に着目して考察し、ひとびとがなぜトンチンを行うのかを明らかにしたものである。バミレケは、露天商から大企業家まで、銀行がたちならぶ都市においてもトンチンを積極的に行っており、トンチンは彼らの経済的成功の要因のひとつとされている。しかしトンチンには、資金創出以外にも大きな役割がある。バミレケは都市で同郷会を組織しているが、そこではトンチン参加が義務付けられている。トンチン参加を強いることは、トンチンに支払うためにカネを稼ぐことを強いることである。つまりカネを稼ぐという「個人的行為」を、トンチンにリンクすることにより「集団的行為」へと変化させている。ではなぜトンチンが集団的行為であり、相互扶助だと考えられるのであろうか。それは、トンチンが贈与交換だからである。みなのカネをまとめて、一人の人に与えるトンチンは、贈与であるからこそ、「助け合い」であり「善きもの」と言われるのである。そして重要なのは、そこに持ち寄られ、「贈与」される貨幣も善となることである。個人的で利己的な貨幣は、集団的資源としての貨幣へと意味を変える。平等化の圧力が強く、資本蓄積が難しいとされるカメルーンにおいて、バミレケはトンチンを介すことでカネを稼ぐことを正当化し、資本蓄積の場を獲得する。これが、人びとがトンチンを好む理由であると考える。またこれまで貨幣は、ひとびとの連帯を破壊するものと考えられる傾向にあったが、バミレケの事例で、トンチンによって貨幣が人と人をつなぐ道具として用いられていることを明らかにできた。
収録刊行物
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- 文化人類学
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文化人類学 69 (3), 353-372, 2004
日本文化人類学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680782688384
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- NII論文ID
- 110006251127
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- NII書誌ID
- AA11958949
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- ISSN
- 24240516
- 13490648
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- NDL書誌ID
- 7205015
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可