いま、根性論にアクチュアリティはみいだせるのか:「スポーツ根性論」の再解釈

説明

<p> わが国では、1960年代に東京オリンピック体制が確立され、大会が成功をおさめた前後に、競技で優れた成績をあげるには何よりも根性が必要であるというスポーツ根性論が成立し、スポーツをはじめ各方面に影響を及ぼしたことが指摘された。しかし、スポーツの大衆化への指向やスポーツへのかかわり方の多様化、プロフェッショナリズム、コマーシャリズムの隆盛といったスポーツを取り巻く状況の変化にともない、根性に対する批判的な見方や考え方が生起したことが確認できる。本発表では、スポーツにおいて勝利を追求するなかで暗黙のうちに了解されてきた心性としてスポーツ根性論を取り上げ、これまでなされてきた批判的な見解に着目する。具体的には、スポーツ根性論の功罪両面で象徴的な事例にあげられる大松博文の指導哲学や、東京オリンピック選手強化対策本部長であった大島鎌吉が構想したスポーツ根性、また心理学領域で取り上げられるレジリエンス概念の(再)解釈を行いながら、「根性」を新たな時代や社会をより善く生きていくための、自己変革・自己変容への意志と捉えなおし、スポーツ根性論のアクチュアリティをみいだすための考察を試みる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680788929280
  • NII論文ID
    130006352173
  • DOI
    10.20693/jspehss.68.27_1
  • ISSN
    24241946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ