10保−09−口−10 戦時下における寄生虫病予防対策

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タイトル別名
  • 国民学校児童を対象として

抄録

<p> 本報告は、戦時下における国民学校児童に対する寄生虫病予防対策の特徴について検討する。特に、文部省監修『学校保健百年史』(第一法規)が触れていない、1943年4月の通牒「寄生虫病予防撲滅ニ関スル件」(厚生省衛生局長・厚生省人口局長・厚生省保険局長、地方長官宛)と、同年5月の通牒「国民学校児童ノ寄生虫病予防ニ関スル件」(文部省体育局長、各地方長官宛)に着目したい。厚生省人口局は、衛生主務課長事務打合会で、予防対策を健兵健民政策として位置づけ、対策に「一段ノ力ヲ効サレタシ」と通牒の具体化を指示した。通牒の内容と、その関連する会議における厚生省の指示からも寄生虫病対策の強化であることは明らかである。通牒の具体化がどう図られ、対策の特徴はどのような点にあったのかを解明することは必要であろう。なお、学校における寄生虫病に対する検査規定が初めて明文化されたのは、1944年の学校身体検査規程からである。学校における検査は、無検便一斉投薬方式(団体駆除)にて、便中の回虫の数を報告するという方法がとられた。児童の保卵率は1933年に東京全市児童で26.55%。国民全体のそれは1930年代50%、1944年40%へと低下した。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680789387648
  • NII論文ID
    130006352105
  • DOI
    10.20693/jspehss.68.247_1
  • ISSN
    24241946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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