労働組合の所得分配効果に関する一考案 : わが国製造業を中心に
抄録
本稿は、労働組合の経済効果、特に所得分配効果について、わが国製造業を中心に分析を行うことを主眼とした。ここでは、労働組合の所得分配における影響力の強弱が労働組合組織率によって表しえるものと仮定する。そして、製造業産業中分類毎に生産関数の推定を行い、そこから得られる労働分配率を用いて労働限界生産力価値(以下MPL)を求め、それと実際の賃金率(以下ALC)の間に生じる乖離(以下GAP)を比較・分析することによって、労働組合の賃金上げ圧力が、労働供給曲線を押し上げ、その勾配をより急にするという仮説を検証した。 分析の結果から、労働組合は労働供給曲線の勾配をより右上がりにするという効果と、より高い賃金水準の獲得を含めた組合員の厚生レベルの上昇に効果を及ぼしてきたことが明らかになった。
収録刊行物
-
- 日本計算機統計学会大会論文集
-
日本計算機統計学会大会論文集 8 (0), 55-58, 1994
日本計算機統計学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680791342976
-
- NII論文ID
- 110001239257
-
- ISSN
- 21895848
- 21895821
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可