弘法大師の成仏思想についての一考察

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タイトル別名
  • A study on the thought of abhisambodhi accoding to Kukai
  • コウボウ ダイシ ノ ジョウブツ シソウ ニ ツイテ ノ イチコウサツ

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説明

わが国における真言密教の宗祖である弘法大師空海の教学と、それ以前の、いわゆる顕教の教学との間には多くの相違があるが、その中でも特に顕箸かつ重要な相違点として郎身成仏思想を挙げることができる。そこで今回は、弘法大師教学に見られる成仏思想について、在唐中の作(八〇六)である『恵界和尚之碑』に説かれる速疾成仏思想から、弘仁年間(八一一三〜八二五頃)の作である『即身義』の二頌八句に代表される六大・四曼・三密等による組織的理論化のなされた即身成仏思想への変遷を見るとともに、この変遷に影響を与えたと思われる、徳一の『未決文』および伝教大師最澄の即身成仏思想との関係について考察を加えたいと思う。

収録刊行物

  • 智山学報

    智山学報 38 (0), 61-77, 1989

    智山勧学会

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