石山寺所蔵の『三昧耶戒儀』について : 『秘密三昧耶仏戒儀』をめぐって

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on munuscripts of the Samayakaigi" in the possession of Ishiyamadera temple
  • イシヤマデラ ショゾウ ノ サマヤカイギ ニ ツイテ ヒミツ サマヤブツ

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抄録

石山寺の校倉聖教中には『三昧耶戒儀』(一本は『三昧耶戒』)と称する、平安中期から鎌倉にかけての四本の写本が存在する。この四本はうち二本は同本であり、実際には三種であるが、共に前段に三昧耶戒に就いての解説を、後段には三昧耶戒作法を置き、実際の灌頂に際して三昧耶戒授戒に於る戒体として用いられたものであろう。そして此等の前段の三昧耶戒に就いての解説は、一本は『平城天皇灌頂文』第二文であり、一本は『三昧耶戒序』であり、もう一種二本は新出の文献である。又、後段の三昧耶戒作法は「秘密三昧耶仏戒儀」又は「授発菩提心戒文」と称しており、現行の『秘密三昧耶仏戒儀』と『三十帖策子』所収の『授発菩提心戒文』との中間的な内容であり、現行の『秘密三昧耶仏戒儀』の成立・伝承の過程を明らかにする資料となると思われる。今回は此等の写本を翻刻し、広く学界に紹介しようとするものである。

収録刊行物

  • 智山学報

    智山学報 40 (0), 123-166, 1991

    智山勧学会

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