戦後初期コア・カリキュラムの「形態」としての問題と可能性 : 「明石プラン」の改訂過程を手がかりに

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タイトル別名
  • The Problems and Possibilities of the Core Curriculum as "Form" in the Early Postwar Period : Revision process of "the Akashi plan"
  • センゴ ショキ コア カリキュラム ノ ケイタイ ト シテノ モンダイ ト カノウセイ アカシ プラン ノ カイテイ カテイ オ テガカリ ニ

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抄録

本稿では,コア・カリキュラムという「形態」のうちに,カリキュラムの「固定化」を回避する可能性をもちえたいくつかの条件を見出した。対象を,コア・カリキュラムの典型,「明石プラン」にしぼってみると,以下の4つの条件が挙げられる。すなわち,(1)カリキュラム「全体」を貫く目的として,理想的人間像を設定したこと。(2)児童の「連続的」発展を見通して,カリキュラムの系列(シーケンス)を立てたこと。(3)カリキュラムの中心に据えた生活活動に,様々な要素を「接合」したものが,内容として構成されたこと。(4)実際に行った実践を踏まえて,カリキュラムを「連続的」に改訂し続けたこと。以上のような条件が,単元の内外でいかに実現していったかについて,「明石プラン」の研究紀要リスト,および単元の一覧表の作成を通じて検証してみた。また,二つの単元に関する「教育細案」(詳しく記載した教育計画)をとりあげ,改訂された点を具体的に明らかにした。最終的には,理想的人間像を個々の子どもに求めたために,コア・カリキュラムの「全体」としての「形態」をあらかじめ計画することが困難となったといえる。

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