1960年代から1980年代におけるアメリカの子ども中心主義教育

書誌事項

タイトル別名
  • Child-Centered Education in the United States from the 1960s to the 1980s
  • 1960年代から1980年代におけるアメリカの子ども中心主義教育 : リリアン・ウェーバーの実践とそのディスコース
  • 1960ネンダイ カラ 1980ネンダイ ニ オケル アメリカ ノ コドモ チュウシン シュギ キョウイク : リリアン ・ ウェーバー ノ ジッセン ト ソノ ディスコース
  • ― リリアン・ウェーバーの実践とそのディスコース ―
  • Lillian Weber’s Practice and the Accompanying Discourse

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抄録

<p>  本稿は,アメリカ合衆国の進歩主義教育者リリアン・ウェーバーに焦点を合わせ,1960年代から1980年代におけるアメリカの子ども中心主義教育を特徴づけた実践とそのディスコースを明らかにするものである。ウェーバーは,20世紀初頭の進歩主義教育を1960年代において再興し,特有の実践とディスコースを展開し,進歩主義教育を次代へつないだ人物である。得られた知見は以下の三点である。</p><p>  一点目は,ウェーバーが,人の知性への信頼にもとづいて,マイノリティを含めすべての子どもに学ぶ権利を保障しようとしたということである。二点目は,ユニークな学校改革プログラムである「開いた廊下プログラム」が,伝統的な公立学校に人びとの交流と豊かな環境を創り出すシステムとして開始されたということである。三点目は,「オープン・エデュケーションのためのシティ・カレッジ・ワークショップ・センター」が,教師の探究の空間として設立され発展したということであり,その背景には学びと初等科学のつながりをめぐる理解の深まりがあった。</p><p>  ウェーバーはつねに子どもを中心に考えていた。そしてすべての子どもに学ぶ権利が保障される学校と,すべての人に世界の意味を創ってゆく権利が保障される社会を,民主的共同体のヴィジョンとして追求していた。説得的な実践とディスコースによって,ウェーバーは,当時の進歩主義教育の子ども中心主義の系譜において中心的役割を担い得た。</p>

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