国際協力としての教育メディアに関する第3国研修の新しい形での実施に伴う課題とその解決

  • 大作 勝
    長崎大学・アドミッションセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Some Problems and Their Solutions with the Operation of a New Type Technical Training in the Third Nation
  • コクサイ キョウリョク ト シテノ キョウイク メディア ニ カンスル ダイ3ゴク ケンシュウ ノ アタラシイ カタチ デノ ジッシ ニ トモナウ カダイ ト ソノ カイケツ

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抄録

タイ国フアヒンは幼稚園から大学までを擁する学園町である。この地には, -タイ国の中等教育を改善するために,スタジオを兼ねた教室の授業をテレビ撮影し,ミキシング編集後,衛星を介してタイ国全土に配信,これを地方の受信校で受信利用することにより,高品質の教育を維持するという目的ではじめられた-,発信校(モデル校)と放送技術分野を担当する遠隔教育テレビジョンステーションが設けられている。その後この衛星放送を用いたプロジェクトは幼稚園から大学,さらには社会教育分野にまで広がっている。一方,パプアニューギニアは学校制度の再構築を含めた教育改革を1994年から本格化した。この結果,幼稚園1年間を含め3年間の準備学校,6年間の初等学校,4年間の中等学校,4年間の大学となった。これによって政府は幼稚園を含め9年間の教育を保証し,コミュニティーに根ざした準備学校,英語による初等学校,中等学校への進学率の向上をめざしているが,必ずしも所期の目的を果たしていない。この改革により初等学校高学年と中等学校教員が質・量とも大幅に不足している。さらに改革に伴う教育レベルの向上にも困難がある。パプアニューギニアは山岳地帯が多く,交通事情は極めて悪い。これらの事情を考慮した結果,この国での教育困難を解決するため首都地域にモデル校を選び,ここでの授業をテレビカメラで撮影,大まかな編集の後テレビ放送配信し,放送された教育番組を受信校の授業に用いようとするパイロットプロジェクトが2002年からSONY-JICA開発パートナー事業のもとに,ポートモレスビーの教育メディアセンターを基地として始められた。このプロジェクトはタイ国フアヒンの衛星プロジェクトをモデルとしたものである。パイロットプロジェクトを進めるためには,これに協力するスタッフの教育・研修が先決であり,このためセンターの技術者,管理者,及びモデル校の教員をフアヒンに派遣した。ここに企画した新しいタイプの第3国研修は日本にない技術,ないしは日本よりもある意味進んだ部分で技術研修を企画する場合に有用であろう。ここではこの種の第3国研修を企画する際に注意すべき点,研究計画の作成,期待される成果,研修内容,研修時の課題についてまとめた。

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