用語としての「児童画」の確定に関する一考察

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on the Definition of the Term "Children's Drawings"
  • ヨウゴ ト シテ ノ 「 ジドウガ 」 ノ カクテイ ニ カンスル イチ コウサツ

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説明

小論は,「児童画」という用語そのものの確定時期や確定過程等を考察しようとするものである。「児童画」は1908年に倉橋惣三が,『児童研究』掲載論文の中ではじめて使用したとみられ,美術教育界では関衛の,1915年『長崎県教育雑誌』に掲載された「図画教育短編」に最初の用例があると思われる。児童画という用語は,その構成要素である「児童」と「画」が古くから確定していたため,学制が導入された1870年代から使われてもおかしくはないが,実際には日本に児童画研究が起こった1896年頃以降,子どもの絵が着目されるようになって造語されたものである。ただしあまり使われることなく推移するが,自由画教育運動が一大ブームとなり,多数の子どもの絵が展観されるようになって「児童画」が認知され,1921・2年頃から1930年頃にかけて一般化していったものであると思われる。

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