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- 辻内 伸好
- 同志社大
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- 小泉 孝之
- 同志社大
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- 松本 修一
- 同志社大院
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- 山岡 直人
- 三洋電機
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- NISHIMURA Yutaka
- Doshisha University
書誌事項
- タイトル別名
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- 224 Vibration Analysis and Reduction of a Drum Type Washing Machine in the Spin-drying Stage
説明
全自動洗濯機の振動は,回転ドラム内に発生する衣類の偏りによる偏荷重に起因するものであり,特に高速回転を要する脱水運転時には顕著となる.この振動は筐体へ伝わり,設置場所周辺に悪影響を及ぼす.この問題は洗濯機開発当初からの問題であり,これに対して様々な研究がなされてきた.この振動問題を軽減するため,振動系の改良が進められてきたが,従来のような,試作機を用いた実験では,設計パラメータを効率的に最適化することは困難である.そのため,近年,振動解析モデルを構築し,それを用いて設計パラメータを検討する技術が注目されており,それに伴って多様なモデルが提案されている.しかし,これらのモデルは様々な仮定を用いることによって自由度を制限されているため,実機の振動を解析的に把握するには不十分である.低振動化のためには,実機の振動現象を総合的に把握する必要があるため,開発・設計段階では,外槽胴の振動のみならず,筐体の振動,及び設置場所への力伝達をも解析できるモデルの構築が望まれている.これらを受け,本研究では脱水運転時における全自動洗濯機の低振動化のために,外槽胴,筐体の振動,及び設置場所への力伝達を解析し,総合的に評価できる振動解析モデルを構築する.そのために,スプリングダンパ及びダンパ上下部防振ゴム,筐体脚部防振ゴムの動特性の把握,及び周波数依存性や変位依存性を調べるために加振実験を行い,その結果明らかになった振動特性を考慮に入れ,振動解析モデルを構築した.構築したモデルをFig.A1に示す.構築したモデルの妥当性を検証するために実機を用いて実験を行い,解析値との比較を行った.結果の一例として各回転数における外槽胴振幅の実験値と解析値の比較をFig.A2に示す。これより,実験値と解析値は精度良く一致していることが確認できる.これは他偏荷重条件でも同一の精度で一致しており,構築された振動解析モデルは外槽胴の定常振動及び過渡振動の解析において十分に妥当性があるといえる.また,構築されたモデルを用いて脱水運転時における振動の低減化を図るため,最適なパラメータ変更を検証し,提案する.構築モデルを構成するパラメータのうち,応答に影響を及ぼすと考えられるパラメータの抽出,及びそれらのパラメータの主効果と交互作用の有無の検定を効率的に行なうため実験計画法を利用した.その結果,設置場所への荷重や外槽胴,筐体の振動も低減され,低振動化のための最適なパラメータ変更を効率的に行なうことができた.
収録刊行物
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- Dynamics & Design Conference
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Dynamics & Design Conference 2006 (0), _224-1_-_224-6_, 2006
一般社団法人 日本機械学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680864649856
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- NII論文ID
- 110006656455
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- ISSN
- 24242993
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可