近代日本における「宗教」概念の西洋的起源 : 島地黙雷のヨーロッパ滞在を中心に

書誌事項

タイトル別名
  • The Western Sources of "Religion" in Modern Japan : Shimaji Mokurai and His Trip to Europe
  • キンダイ ニホン ニ オケル 「 シュウキョウ 」 ガイネン ノ セイヨウテキ キゲン : トウチモクライ ノ ヨーロッパ タイザイ オ チュウシン ニ

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抄録

明治前期における宗教概念形成過程のなかで、浄土真宗本願寺派の僧侶・島地黙雷(一八三八-一九一一)が果たした役割の重要性は、先行研究においてすでに指摘されている。その理由の一つは、「信教の自由」の先駆者として捉えられてきた島地が明治五年、実際にヨーロッパを遊学したことであるが、彼がヨーロッパで具体的に誰と会い、どのような経験を通して「ヨーロッパ」の影響を受けたかは、必ずしも解明されていない。本論文の目的は、島地がフランスやドイツで明治五・六年に出会った人物とその思想を明らかにすることを通じて、帰国後の彼の思想展開を分析するための手がかりを得ることである。特にこれまでの研究において謎であった、島地がベルリンで面会した「リスコ」の人物像を解明し、プロテスタント牧師であった彼から島地が学んだ自由神学の影響を検討することによって、近代日本における宗教概念形成研究への貢献を目指すものである。

収録刊行物

  • 宗教研究

    宗教研究 88 (3), 521-544, 2014

    日本宗教学会

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