近代化を生きる出家者たち―上座仏教徒社会ミャンマー・ヤンゴンを事例として―

書誌事項

タイトル別名
  • Bhikkhus and Modernization: A Case Study in Yangon, Myanmar
  • キンダイカ オ イキル シュッケシャ タチ : カミザ ブッキョウト シャカイ ミャンマー ・ ヤンゴン オ ジレイ ト シテ

この論文をさがす

抄録

スリランカやタイといった上座仏教徒社会においては、「近代化」と総称されるような社会変動に伴い、在家者のプロテスタント化(主体的な仏教への関わり)と、それに伴う出家者の周縁化が指摘されてきた。それに対し本論文では、ミャンマー(ビルマ)最大都市ヤンゴンを事例として、出家者が瞑想指導や教義解説といった仏教的なサービスを積極的に展開することによって、新たな装いのもとにその社会的影響力を増大させていることを示す。そしてその背景として、ウェーバーの「使命預言/模範預言」という概念を手がかりとしつつ、上座仏教にはキリスト教やイスラームとは異なる聖職者/一般信徒の関係があること、つまり在家者のプロテスタント化が進展・深化することが、かえって出家者の重要性を高めるという構造があることを指摘する。こうした作業を通じて、上座仏教徒社会における近代化のインパクトの複層性を浮き彫りにすることが、本論文の目的である。

収録刊行物

  • 宗教と社会

    宗教と社会 20 (0), 17-32, 2014

    「宗教と社会」学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ