日本人プロテスタントは「宗教」という言葉をどのように語るのか : ポジショニング分析による「宗教」に関する語りの質的検討

書誌事項

タイトル別名
  • How Do Japanese Protestants Talk about 'Religion'? : A Qualitative Study on Narratives of 'Religion' Using Positioning Analysis
  • ニホンジン プロテスタント ワ シュウキョウ ト イウ コトバ オ ドノ ヨウ ニ カタル ノ カ ポジショニング ブンセキ ニ ヨル シュウキョウ ニ カンスル カタリ ノ シツテキ ケントウ

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抄録

現代日本社会では、宗教団体に対する否定的言説がある。このような社会で宗教信者として生きるとはどのようなことであろうか。本論文ではこの問いを「宗教」という言葉の語りを分析することにより検討することを目的とした。日本人プロテスタント14名をインフォーマントとした半構造化面接を行い、その語りをポジショニングの視点から質的に分析したところ、「宗教」という言葉は3つのポジションおよびストーリーラインから語られることが見出された。「宗教」という言葉の含意は、3つのポジション間で異なっており、それらのポジションは語りの中でしばしばシフトしていた。考察では、日本社会でキリスト教徒として生きるということが、日本社会とキリスト教の間をシフトする動的な営為であることが論じられた。本知見は、日本社会における宗教信者の一側面を照射する上で「宗教」という言葉に着目することが有用であることを示すものである。

収録刊行物

  • 宗教と社会

    宗教と社会 17 (0), 31-46, 2011

    「宗教と社会」学会

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