日米の宗教概念の構造とその幸福度への効果 : 両国の共通性が示唆する普遍宗教性

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タイトル別名
  • The Structure of religious concepts in Japan and the U.S. and its effect on happiness : Universal religiosity as suggested by a commonality between the two countries
  • ニチベイ ノ シュウキョウ ガイネン ノ コウゾウ ト ソノ コウフクド エ ノ コウカ リョウコク ノ キョウツウセイ ガ シサ スル フヘン シュウキョウセイ

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抄録

100項目の宗教概念について日米の回答者に賛成か反対かを尋ねると、日米共通で信仰者のほうが非信仰者よりも賛成する共通概念が90も検出され、日米共通で生命主義的救済観が信じられているなど意外な点が多かった。教義と実際の信仰のかい離も検出された。さらに、1)人格神への信仰、2)教団宗教的規範、3)超越への働き掛け、4)大生命と魂、5)現世利益、6)感情の制御というお互いに相関する6つの共通概念群からなる日米共通の構造が検出された。それら共通概念群は、実践論的・顕教的か存在論的・密教的かという2つの独立したメタ因子からなるメタ共通構造に包摂され、有機的階層的な構造を成している。このうち、実践論的・顕教的なメタ因子のみが、信仰者の幸福度に対してプラスの効果を持つ。また、神に関する概念と幸福度の関係を調べると、人格的な神概念は幸福度にプラスの効果を、非人格(原理)的な神概念はマイナスの効果を持つ。

収録刊行物

  • 宗教と社会

    宗教と社会 17 (0), 47-66, 2011

    「宗教と社会」学会

被引用文献 (1)*注記

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