3要因モデルに基づく, 抑うつならびに不安症状の分類 : 多次元抑うつ不安症状尺度の作成

書誌事項

タイトル別名
  • Dividing depression and anxiety symptoms into three groups : Development of the Multidimensional Depression-Anxiety Symptom Scale
  • 3 ヨウイン モデル ニ モトヅク ヨクウツ ナラビニ フアン ショウジョウ ノ ブンルイ タジゲンヨクウツ フアン ショウジョウ シャクド ノ サクセイ

この論文をさがす

抄録

Clark & Watson(1991)は, 抑うつならびに不安症状を, 抑うつと不安に共通するネガティブ情動の亢進, 抑うつ特有のポジティブ情動の低下, 不安特有の自律神経系症状の3つに分類する, 3要因モデルを提示している.本研究では, 抑うつならびに不安症状を査定するため, 3要因モデルに基づき, 多次元抑うつ不安症状尺度(MDAS)を作成した.463名の学生が心理学の授業の一貫としてMDASに回答した.研究1では, 探索的因子分析の結果, 本尺度は, ネガティブ情動(NA), 生理学的覚醒(AR), ポジティブ情動(PA)の3因子からなることが示された.抑うつ, 不安双方の共通因子であるNA因子は, 不安特有因子(AR), 抑うつ特有因子(PA)双方と中程度の相関があり, 特有因子間は無相関であった.以上の結果は, 3要因モデルと一致するものであった.研究2では, 他尺度との相関により, 構成概念妥当性の検討を行った.PA尺度は報酬手掛かりに対する感受性を測定するBAS尺度と中程度の正の相関, NA尺度は罰手掛かりに対する感受性を測定するBIS尺度と中程度の正の相関など, 他尺度との間には概ね予想通りの相関パターンが得られた.

収録刊行物

  • 性格心理学研究

    性格心理学研究 10 (1), 15-26, 2001

    日本パーソナリティ心理学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ