抑うつの生起に寄与するパーソナリティ特性の性別による相違

  • 内藤 まゆみ
    お茶の水女子大学大学院人間文化研究科
  • 木島 伸彦
    日本障害者雇用促進協会障害者職業総合センター:(現)慶應義塾大学商学部
  • 北村 俊則
    国立精神・神経センター精神保健研究所社会精神保健部

書誌事項

タイトル別名
  • Gender differences in the role of personality traits that affect the onset of depression.
  • ヨクウツ ノ セイキ ニ キヨ スル パーソナリティ トクセイ ノ セイベツ ニ ヨル ソウイ

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抄録

本研究では,抑うつの生起に寄与するパーソナリティ特性が男性と女性で異なるのか検討した.パーソナリティ特性として,Cloninger, Svrakic & Przybeck (1993)のパーソナリティモデルに基づく気質4特性と性格3特性を用いた.抑うつの変化を検討するために2波のパネル調査を行い,パーソナリティ特性,抑うつを1回目の調査で,1回目の調査のあとに経験したネガティブライフイベントと抑うつを2回目の調査で測定した.男女別の階層的重回帰分析を行ったところ,女性ではネガティブライフイベントの頻度を統制した後,高い損害回避が抑うつの変化を生起させることが示された.男性の分析では低い自己志向が抑うつを生じさせる傾向があったが,有意ではなかった.以上の結果から,女性において高い損害回避が抑うつに対する被損傷性となる可能性が示唆された.

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