三浦半島に生息するアカテガニの生活史〔英文〕

書誌事項

タイトル別名
  • THE LIFE HISTORY OF SESARMA(HOLOMETOPUS) HAEMATOCHEIR(H. MILNE EDWARDS) IN THE MIURA PENINSULA
  • ミウラ ハントウ ニ セイソクスル アカテガニ ノ セイカツシ エイブン

この論文をさがす

説明

三浦半島,江奈湾の林床に生息するアカテガニを1978年から1980年に採集しその生長,脱皮,抱卵等を観察した。この調査地点では雌が雄よりも多数捕獲されるが生息数は同数と推定される。活動期は5月から10月である。活動と同時に交尾が観察されるが抱卵時期は6月から9月までで,最盛期は7月である。産卵回数は,1年間に少ない個体でも1回,平均2回,多い場合には3回である。脱皮時期は5月から9月で初夏と初秋に脱皮が多い。脱皮回数は生長と共に減少する傾向があるが平均2回である。産卵された卵は雌の腹肢に約27日間抱卵され,海にゾエアとして放卵される。1ヶ月後に江奈湾の干潟でもメガローパが脱皮してカニとなる。1,2年目は近くのアシ原で脱皮を繰り返して生長し,生後,3,4年目に今回の調査地点とたった林床に生息場所を移動して交尾,産卵活動に加わる。甲殻の幅が25mmのアカテガニは生後8,9年と推定されるが,平均寿命は5,6年と考えられる。

収録刊行物

  • 甲殻類の研究

    甲殻類の研究 11 (0), 51-65, 1981

    一般社団法人 日本甲殻類学会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ