簡易に酒石酸度を知る法
抄録
葡萄酒の酒石酸度を知るには普通苛性ソーダの規定液を造って滴定し之を換算して知る法が廣く行はれて居る。勿論馴れた人には之で差支へないが規定液を造るには精密バランスが必要であるから一般酒造家の粗末な實驗窒では出來ない。勢ひ鑑定部とか縣の試驗所あたりに試藥の調製を頼む煩はしさがあり又其結果を計算するにも面倒な係數が必要である。若しも酒屋のぞんざいな實驗窒が田舎町の藥局でも試藥が出來たら頗る便利である。<BR>私は十年ほど前から農村の葡萄酒製造所向の酒石酸定量法を考案して勸めて居る。此法に依ると蒸餾水或は雨水さへあれぱ上皿天秤とメスシリンダー或はリツトル桝でゞも試薬が出來て滴定量一c.c.は酒石酸の〇、一%にあたり國民學校を出たゞけの子供にでも早速に酸度の計算ができる。勿論精密さは普通の方法に及ばないが工場分析としては差支へない。早くして一目瞭然であるのは頗る都合がいゝ、此度のやうに廣く葡萄酒を造り除酸作業をやる場合突嗟の中に添加石灰量などを計算し或は又除酸後の酸度等を早く知らねばならぬ時には便利な方法と思ふがまだ一般には知られてないやうであるから更めて御紹介する次第である。
収録刊行物
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- 日本釀造協會雜誌
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日本釀造協會雜誌 39 (9-10), 328-329, 1944
公益財団法人 日本醸造協会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681078069248
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- NII論文ID
- 130004109309
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- ISSN
- 21864004
- 0369416X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可