DNAマーカーを利用したビール大麦育種技術の開発

  • 木原 誠
    サッポロビール株式会社植物工学研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Development of New Selection Techniques Using DNA Markers in Malting Barley Breeding
  • DNA マーカー オ リヨウシタ ビールオオムギ イクシュ ギジュツ ノ カイ

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抄録

作物の育種は, 交配, 検定, 選抜, 形質の固定などに十数年の年月を要するのが通常である。形質は遺伝子で決定されており, 全遺伝子の塩基配列を解読する研究が稲などで進められている。これらの研究の進展とともに, DNAマーカーを用いた分子育種 (分子選抜) 技術についても開発が進められている。しかし, 育種対象の形質は量的形質である場合が多く, DNAマーカーと育種目標形質との関連付けが難しい場合が多い。本解説では, ビール大麦の糖化酵素の熱安定性と麦汁の発酵性の関連を明かにし, その知見に基づいて品質検定を順次, 種子の酵棄レベル, RFLPによるDNA多型解析, PCR法での多型解析と高度化することにより, 検定時期を結実段階, 植物個体段階, 幼苗段階と早めることに成功した一連の研究成果を紹介していただいた。DNAマーカーによる育種技術実用化の優れた例である。

収録刊行物

  • 日本醸造協会誌

    日本醸造協会誌 93 (8), 600-605, 1998

    公益財団法人 日本醸造協会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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