本論文には筆者が數年前より繼續中の高砂族住家研究の中間報告である。高砂族は其數15萬餘に過ぎないが全島の山間僻地に散在居住するを以て其調査研究には相當の日數を要した筆者は漸くパイワン族、ブヌン族及びツオウ族の各蕃を踏査し得たのみであるが各種族とも其住家には夫々特徴があり、殊にパイワン族の如きは甚だ變化多く大別しても5形式に分類する事が出來且つ亦各種族間の關係、交渉等にもつきざる興味が存在するが未だ研究の途中にあるので結論には到着しないが近年中には全島の蕃地を隈なく踏破して研究を完成する豫定でゐる。
Transactions of the Institute of Japanese Architects 9 (0), 243-250, 1938
Architectural Institute of Japan