パフォーマンス研究の現在 : パフォーマティヴィティ・身体・認知(第38回日本コミュニケーション学会年次大会基調講演)

書誌事項

タイトル別名
  • Performance Studies Now : Perfomativity, Body, Cognitive Science
  • 第38回日本コミュニケーション学会年次大会基調講演 パフォーマンス研究の現在--パフォーマティヴィティ・身体・認知
  • ダイ38カイ ニホン コミュニケーション ガッカイ ネンジ タイカイ キチョウ コウエン パフォーマンス ケンキュウ ノ ゲンザイ パフォーマティヴィティ シンタイ ニンチ

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抄録

「テクストからパフォーマンスへ」、「動かないものから動くものへ」、「作品からプロセスへ」…いわゆるポスト構造主義批評台頭以降の、人文学における学問対象および研究方法の変化は、還元的であることを恐れずにいえば、こうした「かけ声」とともにあったと思われる。それが何らかの成果を世界的にもたらす前に、〈社会学の勝利〉とでも呼べる事態も訪れている現在、アメリカ合衆国発という明らかな出自をもつパフォーマンス・スタディーズ(以下、PSと表記)という「学際的」を標榜する学問分野は、今、どうなっているのか?この講演では、演劇学とコミュニケーション学というPSの起源にあるとされるふたつの学からPSが発生・展開してきた1980年前後のアメリカ合衆国における学問状況をまずは簡単に振り返る。次に、PSの創始者のひとりとされるニューヨーク大学のリチャード・シェクナーによるPSの教科書Performance Studies:An Introduction(London:Routledge,2002)、PSとはやや距離を取る形で「パフォーマンス」を鍵概念とする4巻本の論文集Philip Auslander(ed.),Performance:Critical Concepts in Literary and Cultural Studies(London:Routledge,2003)等を参照にしながら、PSのこれまでの研究成果を、「パフォーマンス」「パフォーマティヴィティ」「身体」といったような関連する重要な分析/記述概念の広がりを見わたすことで明らかにしたい。さらに、PSの現在的研究動向の一つとして、PSの学術誌である「TDR」誌(The MIT Press)における「ダンスと哲学」という最近の特集を取り上げ、PSとしてのダンス研究における認知科学的知見の重要性/有用性について、最後は言及できればと考えている。

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