アメリカの労使関係システムの再定義

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タイトル別名
  • Redefinition of the Industrial Relations System in the U. S.

抄録

アメリカの労使関係システムは,Dunlop [1958], Kochan, Katz and Mckersie [1986]により,階層的構造をもつ企業,労働者,政府をアクターとした団体交渉を基軸に整理されてきた。1990年代以降,労働組合組織率の著しい低下などにより,こうした仕組みが機能不全となるなか,団体交渉を経ずに関係者間の利害を調整する仕組みが広がりつつある。そこで扱われることは,職業訓練・斡旋や雇用創出,教育,生活に関連したことを含む。企業,労働者,政府以外の新たなアクターが加わるともに,円卓会議という利害調整のプラットフォームが現れ,中間支援組織が交渉力の再編成を行っている。団体交渉を規定する全国労働関係法も同じ流れのなかで解釈変更の動きがある。こうした状況をアメリカの労使関係システムの構造的な変化とみて,枠組みの再定義を試みるともに,日本からアメリカの労使関係システムをどうみるか,そして日本の研究の視座をどこにおけば良いかという若干の示唆を提示することが本稿の目的である。

収録刊行物

  • 社会政策

    社会政策 7 (3), 129-140, 2016

    社会政策学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681094646784
  • NII論文ID
    110010050849
  • DOI
    10.24533/spls.7.3_129
  • ISSN
    24332984
    18831850
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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