ボゾとは誰のことか(<特集>世界システム論と人類学)

書誌事項

タイトル別名
  • Qui sont les Bozo? : Les pecheurs du moyen Niger et Economie-monde(<Special Theme>The World System and Anthropology)

説明

西アフリカのニジェール川中流域に住む漁民集団は, 隣接の諸集団のみならず民族学文献においてもボゾと呼ばれてきた。しかし実際には, かれらは名称, 言語, 宗教, 慣習, 伝承, 漁法などにおいてたがいに異なる, いくつかの集団からなっている。本稿は, かれらのあいだのこうした差異がもたらされたのが, 世界帝国および近代世界システムに包摂された時期と度合いによること, 変化と生成の途上にあったこれらの集団を, 単一かつ独自の文化をもつ集団として固定したのが, 支配下のすべての人間集団を領土的枠のなかに登記しようとした植民地行政であったことを論証する。さらに本稿は, 文化を帰属や閉じたシステムとしてではなく, 人々が現在に立ち向かうために動員しうる資源の総和としてとらえることを提唱する。以上の作業を遂行するには, ウォーラーステインの世界システム論の視点をとりいれることが有用である。

収録刊行物

  • 民族學研究

    民族學研究 64 (2), 223-236, 1999

    日本文化人類学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681111188480
  • NII論文ID
    110001840230
  • DOI
    10.14890/minkennewseries.64.2_223
  • ISSN
    24240508
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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