ミゾリビンの吸収に加齢が及ぼす影響について─腎移植後の高用量ミゾリビン併用免疫抑制療法において─

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  • About the influence which aging has on absorption of mizoribine -In the high-dose mizoribine combination immunosuppressive therapy for renal transplantation-

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説明

<p>【目的】腎移植後の拒絶反応を抑制するために、通常カルシニューリン阻害薬・代謝拮抗薬・ステロイドの併用免疫抑制療法が行われる。代謝拮抗薬に高用量のミゾリビン (MZ: 6 mg/ kg/ day) を使用した免疫抑制療法 (高用量MZ療法) では、MZの血中濃度の個人差が大きいことが問題となる。MZは腎排泄薬剤だが、吸収率の個体間変動が著しく、MZの吸収は腎機能に続いて血中濃度に影響を及ぼす因子と考えられている。今回、加齢がMZの吸収に及ぼす影響について検討した。【方法】2011年4月~2013年9月に高用量MZ療法を行った50症例を対象とし、低年齢群 (18~44歳: 25症例) と高年齢群 (45歳以上: 25症例) の2群において、MZの血中濃度・薬物動態学的パラメータの比較解析を行った。また、年齢と血中濃度時間曲線下面積を投与量とクレアチニンクリアランスで補正した値 (AUC・Ccr/ Dose)との相関を検討した。【結果】両年齢群間に移植腎機能の有意差はみられなかった。低年齢群のトラフ値、AUCは、高年齢群と比較して有意に高値であった。また、年齢とAUC・Ccr/ Doseの間には負の相関を認めた。【考察】加齢によるMZの吸収の低下が見受けられた。本結果より、高用量MZ療法を適正に行うために、血中濃度モニタリングの実施が望ましく、投与設計時は年齢の配慮も必要であることが示唆された。</p>

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