書誌事項
- タイトル別名
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- Influence of the magnesium oxide as laxative on serum magnesium level in the renal function disorder patients
- サンカ マグネシウム セイザイ ノ ジンキノウ テイカ カンジャ ニ オケル ケッセイ マグネシウムチ エ ノ エイキョウ
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説明
<p>慢性腎臓病(CKD)患者の多くは高齢者であり、腸の運動機能低下などにより、便秘を有する患者が多い。わが国では便秘の治療に、習慣性のない緩下剤として酸化マグネシウム(MgO)製剤が広く使用され長期投与されていることも多い。MgO製剤は、わが国だけでなく、欧米においても腎機能低下患者では慎重投与であり、使用する際には高Mg血症への注意が必要である。平成20年11月には医薬品医療機器等安全性情報により、MgO製剤の長期投与における「高マグネシウム(Mg)血症」についての注意喚起が図られている。腎機能低下患者に対するMgO製剤の腎機能とMgO製剤の用量に関するエビデンスはほとんど見当たらない。そこで、腎機能と高Mg血症の発現リスクおよびMgO製剤の用量と血清Mg値への影響を検討した。2010年4月1日〜2012年2月29日の期間にMgO製剤を使用し、血清Mg値および血清クレアチニン(Cr)値の検査を実施した患者を抽出した。その中でCKD診療ガイド2009において、病期ステージ3以上に分類されるeGFR<60 mL/min/1.73m2であり、血清Mg値および血清Cr値の検査時にMgO製剤を服用していた87例を対象とした。その結果、eGFRと血清Mg値に有意な相関関係が得られた。45≦eGFR<60の患者では、投与量と血清Mg値に有意な相関関係は認められなかった。eGFR<45の患者では投与量と血清Mg値に有意な相関が認められ、eGFR<15では、平均血清Mg値が正常範囲外まで上昇した。また、CKD病期ステージ5(eGFR<15)の患者では、血清Mg値が6 mg/dL以上がMgO製剤1000mg/日以上で認められ、eGFR<15の患者では1000mg/日以上の投与量では高Mg血症への厳重な注意が必要と考えられた。今回の研究結果より、eGFR≧45の患者では、eGFR<45の患者よりもMgO製剤は比較的安全に使用できることが示唆された。さらに、eGFR<45の患者も、血清Mg値の測定を行い、腎機能に応じた投与量を設定することで、MgOを安全に使用することが可能であることが示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本腎臓病薬物療法学会誌
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日本腎臓病薬物療法学会誌 2 (1), 3-9, 2013
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681165246464
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- NII論文ID
- 40020015000
- 130006618459
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- NII書誌ID
- AA12646668
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- ISSN
- 21898014
- 21870411
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- NDL書誌ID
- 025338946
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可