重度腎機能障害患者における高尿酸血症治療薬フェブキソスタットの臨床効果と有害事象の評価

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タイトル別名
  • Evaluation of safety and efficacy of febuxostat in patients with severe renal dysfunction
  • ジュウドジンキノウ ショウガイ カンジャ ニ オケル コウニョウサン ケツショウ チリョウヤク フェブキソスタット ノ リンショウ コウカ ト ユウガイ ジショウ ノ ヒョウカ

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説明

<p>【目的】 フェブキソスタットは、腎機能障害患者においても投与量の調整が不要とされている。その一方で添付文書には重度の腎機能障害患者には使用経験が少ないことから慎重投与と記載されている。そこで我々は、フェブキソスタットを投与された重度腎機能障害患者の臨床効果と副作用について検討した。【方法】 2011 年6 月から2012 年6 月まで当院にてフェブキソスタットが処方された患者(抗癌剤・テラプレビル併用患者を除く)70 名のカルテを後ろ向きに調査した。フェブキソスタット開始時のeGFR からCKD stage1-3 までの軽度~中等度腎機能低下群(軽中等度群)32 名とstage4、5 の重度腎機能低下群( 重度群)38 名に分け、両群における処方開始と24 週後のフェブキソスタット投与量、血清尿酸値、AST・ALT・CPK 等の臨床検査値、投与前の治療薬および併用薬、有害事象の内容等を調査、検討した。【結果】 軽中等度群と重度群における24 週目のフェブキソスタット投与量(mg/day) は16.9 及び13.7 であった。血清尿酸値(mg/dL) は投与開始前と投与24 週後で軽中等度群は8.7 から6.6、重度群では9.4 から6.8 であり、それぞれ有意な低下が見られた。また血清尿酸値7.0mg/dL 未満達成率は、軽中等度群で73.3%、重度群で56.5% であった。 重度群の有害事象は11 例でCPK 上昇等の検査値異常が見られたが、多くは軽微で一過性であった。【考察】 検討した70 例のうち重度群38 例においても軽中等度群32 例と同用量で十分な血清尿酸値の低下が認められた。また治療の継続に影響するような重篤な副作用は見られなかった。本研究の結果は、重度腎機能障害患者においても尿酸値に応じたフェブキソスタットの投与の有用性が示されたと考えられる。</p>

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