存在概念の由来としての「自身」概念と他者概念 : ニーチェ・和辻哲郎による存在批判からの可能性

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タイトル別名
  • "Self" concept as the origin of the being concept and the concept of others : Possibility of being concept criticism by F.Nietzsche and Watsuji Tetsuro

抄録

ニーチェは自我概念を批判し、これがそれ自身としての存在者の概念の誤った起源であると洞察した。それは自我概念の解体を意味している。和辻によって人の間の存在として定義された人間は、ニーチェのこの主張を前提にしたものと言える。自我概念はさらに他者の概念に基づけられる。それは発達や脳機能についての検証から言えることである。またこの他者の認知においては自己同一性や普遍性、統一性が認められる。それこそが西洋形而上学の存在概念の基礎的条件である。他者概念はしかし実在に対応するものでなく、有用性を持つ認識機能に過ぎない。ここにニーチェによるプラトニズムに対する徹底的な批判が完結するのということができるだろう。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282681204875648
  • NII論文ID
    110009910050
  • DOI
    10.24648/uheoka.9.0_33
  • ISSN
    21858373
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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