夜久野オフィオライト朝来岩体における古生代海洋内島弧地殻の形成と進化過程

  • 隅田 祥光
    名古屋大学年代測定総合研究センター 現所属:大阪市立大学理学部地球学教室
  • 早坂 康隆
    広島大学大学院理学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Genesis and evolutional processes of the Paleozoic oceanic island arc crust, Asago body of the Yakuno Ophiolite, Southwest Japan
  • 夜久野オフィオライト朝来岩体における古生代海洋内島弧地殻の形成と進化
  • ヤクノ オフィオライト アサゴガンタイ ニ オケル コセイダイ カイヨウナイ トウコ チカク ノ ケイセイ ト シンカ
  • Genesis and evolution processes of the Paleozoic oceanic island arc crust, Asago body of the Yakuno ophiolite, Southwest Japan

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説明

兵庫県朝来地域には,古生代海洋内島弧の中~下部地殻に由来する夜久野オフィオライト朝来岩体が露出する.本研究では夜久野古島弧の基盤地殻を構成する苦鉄質岩類の起源について,そしてSuda(2004)が報告したミグマタイトの産状分類に基づいた島弧花崗岩類の形成過程について,地球化学的手法を用いたモデル計算を行い検討した.結果,以下のことが示された.朝来岩体では背弧盆地殻に由来した基盤地殻が部分融解し,珪長質メルトが形成された.これら珪長質メルトは集積,上昇する過程で結晶分化しながらマグマへと成長し,キュームレイトに相当するものが主にミグマタイト中のリューコソムとして下部地殻相当域に,一方,残液に相当するものが岩脈,岩床として主に中部地殻相当域に残された.朝来岩体には,島弧下部地殻の部分融解過程と,島弧花崗岩質マグマの形成と発達による地殻の安山岩質化過程を示すまさにその現行段階が残されている.

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 115 (6), 266-287, 2009

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (68)*注記

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