SAR法による洞爺火砕流堆積物の赤色熱ルミネセンス年代測定

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タイトル別名
  • Red thermoluminescence dating of Toya pyroclastic flow using single-aliquot regenerative-dose (SAR) protocol
  • SARホウ ニ ヨル トウヤ カサイリュウ タイセキブツ ノ セキショク ネツ ルミネセンス ネンダイ ソクテイ

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抄録

年代測定に優れた性質を持つ石英の赤色熱ルミネセンスを用いて,SAR法によるToya火砕流の年代測定を試みた.測定には本研究室で開発した小型X線装置を備えた高感度熱ルミネセンス年代測定装置を用いた.SAR法は同一試料に対してX線照射と加熱を繰り返すため,石英の赤色熱ルミネセンス強度の感度変化が生じる.この点をテスト線量測定で検証したところ,一回の照射に対し0.94-1.29の感度変化が認められた.感度補正後の赤色熱ルミネセンス平均年代は最下位火砕流(Tpfl I/II)で132±15 ka,中・上位火砕流(Tpfl IIIおよびTpfl IV)で113±13~114±11 kaであった.この年代は,地形,テフラ対比から総合的に推定された110~115 kaに近似した結果となった.SAR法による赤色熱ルミネセンス年代測定はテフラ年代測定に有効であることが示された.

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 113 (9), 470-478, 2007

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (27)*注記

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