カルデラ火山の噴火と堆積物:クレーターレイクカルデラでの検討

  • 鈴木 桂子
    神戸大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Caldera-forming eruptions and associated deposits: Examination with Crater Lake caldera
  • カルデラ カザン ノ フンカ ト タイセキブツ クレーターレイクカルデラ デ ノ ケントウ

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抄録

大規模火砕流は様々な岩相の火砕流堆積物を形成し,ラグブレッチャーはバイエス型より漏斗型に多い.クレーターレイクカルデラでは,ラグブレッチャーのコンポーネント分析により大規模火砕流がリング割れ目系に沿った複数火口から噴出したと解釈される.ワイングラス溶結凝灰岩中に認められる絞り出しとウーズはカルデラ壁形成時に生じた構造であり,冷却速度計算によりカルデラ崩壊がワイングラス火砕流堆積から9日~11ヵ月以内に発生したと推定される.漏斗型カルデラでは,降下火砕物噴火で始まり,小規模火砕流または火砕サージの発生の後に大規模火砕流噴火に至るが,カルデラ陥没のタイミングで火砕流が噴出しているので,それぞれの体積の大小はカルデラ形成には関係ない.大規模火砕流の場合,フローユニットの数が少ないほど,噴出率が大きくなり,噴出率が大きいほど,マグマ溜まりの減圧速度が大きくなるので,カルデラ陥没が進行し易い.

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 116 (9), 484-495, 2010

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (32)*注記

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