2007年新潟県中越沖地震にともなう小木ノ城背斜西翼隆起域での地震被害と地殻変動との関連

  • 大坪 誠
    産業技術総合研究所地質情報研究部門
  • 山路 敦
    京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between ground and crustal deformations in the western part of the Oginojo Anticline, synchronous with the 2007 Niigataken Chuetsu-oki Earthquake
  • 2007ネン ニイガタケン チュウエツオキ ジシン ニ トモナウ オギノジョウ ハイ シャ セイヨク リュウキイキ デ ノ ジシン ヒガイ ト チカク ヘンドウ ト ノ カンレン

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抄録

2007年新潟県中越沖地震に関する被害調査を実施した.SAR干渉結果で隆起が明らかになった小木ノ城背斜において地表変形の有無および道路の亀裂に注目し,亀裂調査結果,地震時の地殻変動,地質構造の比較を行った.本背斜では道路の舗装を明瞭に破る地表面の断層変位にともなう変形が認められない.本背斜翼部で認められる層面すべり断層はflexural-slipに調和的な活動を示すが,中越沖地震による本背斜の成長に伴う層面すべり断層の活動は認められない.道路亀裂被害は,8 cm以上の隆起域では地盤の流動や変形を伴わない地点で開口亀裂が卓越し,背斜軸部および東翼部などの地域では,盛土の側方流動,人工埋設部での陥没,道路法面の崩落および斜面滑動が発生している地点で開口亀裂が認められる.8 cm以上の隆起域で認められる開口亀裂は地盤の隆起によるのに対して,それ以外のものは地震動の揺れによると考えられる.

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 116 (11), 615-623, 2010

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (6)*注記

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