南中国・四川省朝天における上部Guadalupian(中部ペルム系)の岩相層序:海水準変動と堆積場の酸化・還元条件の変遷

書誌事項

タイトル別名
  • Lithostratigraphy of Upper Guadalupian (Middle Permian) rocks at Chaotian in Sichuan, South China: Secular change in sea level and redox condition of the sedimentary environment
  • ミナミチュウゴク シセンショウ チョウテン ニ オケル ジョウブ Guadalupian チュウブ ペルムケイ ノ ガンソウソウ ジョ カイ スイジュン ヘンドウ ト タイセキジョウ ノ サンカ カンゲン ジョウケン ノ ヘンセン

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抄録

南中国・四川省北部の朝天に露出する中-上部ペルム系浅海成石灰岩(層厚約150 m)について,詳細な岩相層序の確立と堆積環境変遷の復元を試みた.中部ペルム系茅口層上部,および上部ペルム系呉家坪層最下部は,多光帯の陸棚で堆積した生砕石灰岩を主体とする.ただし,茅口層最上部(層厚約11 m)は,少光帯以深の斜面ないし堆積盆底で堆積した黒色頁岩・含放散虫チャート互層からなる.岩相変化から,朝天セクションにおいてGuadalupian末期に海進が起こり,その後Guadalupian-Lopingian(G-L)境界を挟み,大規模な海退が起きたことが明らかになった.この激しい海水準変動に伴い,堆積場の酸化・還元条件も著しく変化した.Guadalupian末の海水準上昇は局所的な堆積盆の沈降を,一方,G-L境界を挟んでの海水準低下は地球規模の海退事件を,各々記録していると推定される.

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 116 (7), 388-399, 2010-07-15

    一般社団法人 日本地質学会

参考文献 (31)*注記

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