シュードタキライトの選択的生成場-足助剪断帯の例-

  • 酒巻 秀彰
    早稲田大学大学院理工学研究科地球・環境資源専門分野 現所属:日産自動車株式会社
  • 島田 耕史
    日本原子力研究開発機構東濃地科学センター
  • 高木 秀雄
    早稲田大学教育・総合科学学術院

書誌事項

タイトル別名
  • Selective generation surface of pseudotachylyte−example from the Asuke Shear Zone, SW Japan−
  • シュードタキライト ノ センタクテキ セイセイバ アスケ センダンタイ ノ レイ
  • Selective generation surface of pseudotachylyte-example from the Asuke Shear zone, SW Japan

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抄録

中部地方領家帯の伊奈川花崗岩体に北東-南西方向に延びる足助剪断帯には,シュードタキライトを含む延性-脆性断層岩類が分布する.足助剪断帯は全体の延びの方向に対してわずかに低角度に斜交する杉型の雁行配列をなす小規模の剪断帯から構成され,線構造と剪断センスの指標から,左ずれ正断層運動を記録している.このことは,足助剪断帯が全体として横ずれ伸張場でその幅を広げながら成長したことを示唆している.マイロナイト化しているシュードタキライトや破砕したマイロナイトの存在などから,本剪断帯の断層岩類は破砕-塑性遷移領域で形成したと考えられる.また,露頭の詳細なスケッチとマッピングから,シュードタキライトは小剪断帯内部に発達するP剪断面に優先的に形成する傾向が認められた.このことは小剪断帯の横ずれ圧縮部において選択的に摩擦熱発生が促進されたことを物語っている.<br>

収録刊行物

  • 地質学雑誌

    地質学雑誌 112 (8), 519-530, 2006

    一般社団法人 日本地質学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (48)*注記

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